宮原晃一郎
底本:「日本児童文学大系 第一一巻」ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「悪魔の尾」講談社
1927(昭和2)年2月
初出:「赤い鳥」赤い鳥社
1924(大正13)年8月
入力:tatsuki
校正:鈴木厚司
宮原晃一郎
それはずつと大昔のことでした。その頃(ころ)は地球が出来てからまだ新しいので、人間はもちろんのこと、鳥や獣すら住まつてゐませんでした。住まつてゐるものはたゞ悪魔ばかりであつたのです。
悪魔たちはみんな恐ろしく長い尾をもつてをりましたので、それを人間で言へば槍(やり)や刀の代りに使つて、のべつ幕なしに喧嘩(けんくわ)をしたり、戦争をしたり、始末におへないので、世界中は治まりがつきませんでした。
こんな悪い悪魔たちでも、やはり仲間とは一緒に住みたいと見えて、とある山の中ほどに大きな湖水のある、見晴らしのよい場所を見付けて、市街をつくつてゐました。